第51号 2006.3.25
今回のテーマ (特集)
メニエル、CRP、よもぎ

めまい〜メニエルって?

 めまいが起こり病院を受診したときに「メニエル」という言葉を聞かれたことはありませんか?まためまいの原因を特定することは難しく、どの診療科に行ったらいいかと悩む方も多いのではないでしょうか?  
メニエルといってもメニエル病、メニエル症候群に分類されます。
どのような違いがあるのでしょうか?

★メニエル病の症状
・回転性のめまいを繰り返すとともに耳鳴りや難聴がおこり、
めまいがおさまると症状も軽くなります。
・吐き気、嘔吐を伴うことがあります。

★薬物療法

種類 主な内服薬 働き
抗めまい薬 メニエトールなど 内耳や脳の血流をよくします。
内リンパ水腫(水ぶくれ)を軽減させます。
利尿薬 イソバイド、ラシックスなど
漢方薬 ハンゲビャクジュツテンマトウ
半夏白朮天麻湯
白朮の利尿作用と半夏の鎮吐作用(吐き気止め)をあわせもちます。
ビタミンB12 コメスゲンなど 神経の働きをよくするため、耳鳴りや難聴を伴う場合に
使用されます。
抗不安薬 ジアゼパムなど めまいに対する不安に使用されます。
 薬物療法で改善されず、生活に支障をきたす場合は手術が行われることがあります。
まためまい発作が起きたら、横になるか体を安定させましょう。
簡単に「めまい=メニエル病」とは考えないで下さい。めまいだけなら色々な原因が考えられるので、自己判断せずに専門医の診察をうけましょう。 

 


〜CRP〜
  CRPとは「炎症」の有無が判定できる検査値です。
  感染すると、体の中では異物(細菌、ウイルス)に対し炎症反応が起こります。その際、速やかに肝臓でCRP「C反応性タンパク(C-reactive protein)」というタンパク質がつくられます。このタンパク質は、急性炎症が起こると数時間で増加し、症状の回復とともに数日程度で基準値まで戻ります。その為、急性炎症の活動性、重症度、予後の判定などに重要な手がかりになります。


しかし、CRP陽性というだけでは、特定の疾患を診断することはできず、病的状態などがわかるだけなので更に詳しい検査が必要です。

 



身近な薬草
〜よもぎ〜

 

 よもぎは、日本各地の山野や道端に自生するキク科の多年草です。
昔から、切り傷やすり傷、ハチ刺されなどに非常によく効く薬草として広く使われてきました。漢方名は「艾葉(ガイヨウ)」と呼び、良質で吸収されやすい葉緑素(クロロフィル)を豊富に含みます。葉緑素は血液を浄化し、末梢の毛細血管を拡張して血液をサラサラにします。また食物繊維、各種ビタミン・ミネラルなどを多く含み野菜不足を補います。
食用とするのは、やわらかい葉や春先の若い芽などで、独特の香りがあり、昔から草もちや草団子の原料として用いられており、別名「モチグサ」とも呼ばれています。また、刻んだりもんだりするとより強くにおいます。これはシネオロールなどの精油成分を含むためで、食欲増進に役立ち、防腐作用があるとされています。
お風呂に入れると体が温まり、肌もすべすべしてきます。 よもぎの葉の裏面には白い綿毛があり、これがお灸に使うモグサになります。お灸は熱刺激と精油成分による組織の活力増加・老化の改善で、全身の機能を正常化することが知られています。 古くから薬草、漢方としても利用され、とても身近な食材ですね。