第50号 2005.12.25
今回のテーマ (特集)
認知症・牡蠣(かき)

認知症

 「久しぶりに会った人の事が思い出せない…」このような経験を された人は多いのではないでしょうか。
「物忘れ」は自然な老化に よっておこる「単なる歳のせい」で、誰にでも起こる可能性があります。 一方、「認知症」は病気であり「物忘れ」ではありません。

認知症とは…脳や身体の疾患を原因として、記憶・判断力などの障害がおこり、普通の社会生活を送る事が困難になった状態と定義されています。
☆最近、「痴呆」という言葉の持つ意味・由来が「痴呆」と呼ばれる高齢者に対する尊厳やいたわりを欠く表現であることから新しい用語として「認知症」が誕生しました。

  アルツハイマー病 脳血管障害による認知症
原因 原因不明。
脳の神経細胞が急激に減少・脳が病的に萎縮する。(小さくなる)
脳の血管が詰まったり破れたりする事によって、脳の働きが悪くなり起こる。
症状 物忘れ。病気が進むと、物忘れのため生活に支障をきたすようになる。また、判断力の低下も見られ、さらに時間・場所・人物の判断がつかなくなる。 物忘れ、頭痛、めまい、耳鳴り、しびれなど。
特徴 高度の知能低下や人格崩壊が起こる。ゆっくり発症し、徐々に悪化していく。本人は病気だという自覚がない。古い記憶は比較的保たれているが、新しい出来事が覚えにくく忘れやすい。 脳卒中の発作が起こるたびに段階的に悪化することが多い。障害された場所によって、まだら状に低下し、記憶障害がひどくても人格や判断力は保たれていることが多い。

 認知症の中心となる症状である「記憶障害」や「判断力の低下」を根本的に治療する薬は今のところありません。しかし、近年アルツハイマー病の症状の進行を遅らせる薬(アリセプト)が出てきています。 この薬は症状の進行を遅らせることによって、ご家族と 一緒に過ごす時間をより良いものにすることが出来ます。 人によって差はありますが、アルツハイマー病の方は 怒りっぽくなったり、不安になったり、異常な行動が見られることもあります。これらのうち、幻覚や不安などの精神症状、徘徊などの問題行動も向精神薬などの薬によって症状を改善したり、軽くしたりできます。


☆ご家族や周囲の方が日常生活の変化に気づいたら早めに主治医に相談してください。

 


  牛乳とほぼ同成分のアミノ酸やミネラルなど多くの栄養素を豊富に含んでいるため「海のミルク」と呼ばれる牡蠣。牡蠣は雌雄同体で普段は雄性を示し、繁殖期の5月から8月になると雌性が現れて産卵します。産卵後に旨み成分のグリコーゲンの蓄積が増えるため、秋から冬が一番おいしい季節といわれています。  日本近海に生息している牡蠣は約20種ありますが、一般に食用とされているのは、ほとんどが養殖されたマガキです。  生薬として使用される牡蠣(ぼれい)は身ではなく、貝殻で、柴胡加竜骨牡蛎湯や安中散などに配合され、鎮静・鎮痛作用などを有することが知られています。

牡蠣の栄養素
亜鉛:不足すると味覚障害、精力減退、疲れ目などを引き起こします。皮膚の代謝を促進し、肌荒れなどの美容にも効果があります。2個食べれば一日に必要な亜鉛を摂取できます。
鉄分:鉄不足によっておこる貧血に効果があります。 体温を維持する保温効果があるため、冷え性も解消できます。
タウリン:肝臓にたまった中性脂肪を排出する働きやアルコールを分解する 酵素の働きを助けるため、肝臓への負担も軽減できます。

☆ 食中毒を防ぐために
牡蠣には生食用と加熱処理用があります。生食用は滅菌処理されていますが、加熱用は処理されていないため、生食用として調理しないでください。 体調が悪い時や疲れている時などには食べ過ぎないようにしましょう。