第47号 2005.6.25
今回のテーマ (特集)プール熱・貧血の検査・大豆

昨年の夏に過去最高の患者数を記録したプール熱。夏にプールを介して流行することが多いので「プール熱」と呼ばれますが、正式には「咽頭結膜炎」といい、プールに入らなくてもうつります。アデノウイルスが感染の原因で、くしゃみ、咳などからの飛沫感染や、患者の鼻汁、目やに、唾液などからの接触感染などがあります。学校・プールなどが感染しやすい場所になります。
★症状
・39℃位の高熱が数日続き、のどの痛みが強く、目も赤くなります(結膜炎)。 そのほか腹痛・下痢・頭痛・咳を伴うこともあります。
★治療
・アデノウイルスの特効薬はないので、症状を抑える薬として解熱剤やのどの痛みをやわらげる薬が処方されます。
・結膜炎がひどい時には眼科を受診しましょう。
★予防 ・手洗い、うがいをしましょう。
・プールでは泳ぐ前後にシャワー、洗眼をしましょう。
・目やにからもうつるので、タオルの共有や貸し借りはやめましょう。

★注意してほしいこと
・高熱のときは、脱水症状になりやすいので水分補給をしましょう。
・完治後も1ヶ月は便からウイルスが排出し感染するので、下痢のときはプールを休ませてください。
・学校保健法では、「主要症状が消退した後2日を経過するまでは出席停止」と定められています。プール熱は感染力の強い病気です。主治医の指示に従い、学校・幼稚園・保育園ともよく相談して感染防止に気を配りましょう。

 


赤血球数(RBC):男性450〜530万個/mm3 女性400〜480万個/mm3
血色素(Hb):男性14〜18g/dl    女性12〜16g/dl
ヘマトクリット(Ht):男性40〜50%       女性35〜45%
赤血球:体の中に酸素を運び炭酸ガスを持ち去ります。少なくなると体内が酸欠 状態になり、貧血を起こします。
血色素:ヘモグロビン(Hb)は赤血球の内容物として、体内に酸素を運ぶ働きをしています。ヘモグロビンの大部分は鉄なので量が少ないと鉄不足→貧血となります。
ヘマトクリット:血液中の血球の割合。血球のほとんどは赤血球で占められているため、減りすぎていれば貧血が疑われます。
☆これらの数値の低下で貧血の診断がされます。☆ 

 


〜大豆〜
  大豆は味噌、納豆、しょうゆ、豆腐、きな粉、おから、ゆばなど様々な加工食品になり、私達日本人の食生活になくてはならないものです。 昔から「畑の肉」と呼ばれていますが、それは大豆には肉に匹敵するぐらいにたんぱく質が豊富に含まれているからです。しかも、必須アミノ酸(※1)がバランス良く含まれており良質なものです。  さらに大豆の脂肪には、コレステロールを下げるリノール酸が多く含まれて います。生活習慣病を予防するために大豆食品を上手に利用しましょう。 その他に最近注目されているのがイソフラボンです。女性ホルモンの一種で あるエストロゲンに似た構造を持っています。そのため、女性ホルモンに似た作用があり、骨粗しょう症・更年期障害・乳がん・前立腺がん・動脈硬化などに効果があるとされています。
※1:たんぱく質を作るアミノ酸のうち、人間が体内で作ることが出来ず、食物からとらなくてはいけないアミノ酸