第33号 2003.1.25
今回のテーマ (特集)高尿酸血症と痛風・ヨーグルト

 尿酸の引き起こす・・・高尿酸血症と痛風
尿酸とは・・・
細胞構成成分であるプリン体は、体内でアミノ酸から合成されるほか、食物からも取り込まれます。細胞が壊れたりエネルギーが 消費されると不要になったプリン体が代謝され、最終的に尿酸になります。

高尿酸血症とは・・・
普通尿酸は血液中に溶けた状態で腎臓から尿中へと排泄されます。基準値4.0〜6.0mg/dlでは、体内の尿酸の産生量とのバランスが とれている状態です。
体の中で尿酸が作られすぎたり(産生過剰)、体の外へ捨てられる量が少なくなる(排泄低下)ことによって、血液中の尿酸の濃度 が高くなり、7.0mg/dlを越えると、高尿酸血症と言われます。

痛風発作とは・・・
尿酸値が7.5mg/dl以上になると血液中に溶けきれなくなり、結晶として体の中にたまっていきます。その結果、足の親指の付け根 などの関節で炎症を起こすのが痛風発作で、激しい痛みと腫れを伴うのが特徴です。

高尿酸血症は痛風発作を起こさない限り、ほとんど自覚症状がありません。放置していると気が付かないうちに、腎・尿路結石や 痛風発作を起こしやすい状態になってしまいます。また、腎機能がだんだん低下し、腎不全へと病状が悪化することがあります。
発作の痛みが無くても、将来起こりうるこれらの病気の予防を!

食事 ・総カロリーを控えて、バランスのよい食事を心がける
・アルコールは控えめにする
・プリン体を多く含む食品(魚や肉の干物・内蔵類、豆類など)をとり過ぎないようにする
・野菜・海藻類・牛乳などのアルカリ性食品をとる
おくすり ・尿酸値を下げる・・・尿酸産生抑制薬、尿酸排泄促進薬
・痛風発作を抑える・・・コルヒチン、消炎鎮痛剤
・尿路結石を防ぐ・・・尿アルカリ化剤
日常生活 ・太りすぎないようにウォーキング、水泳などの軽い有酸素運動をする(激しい運動は避ける)
・水分を十分にとる
・ストレスをためない
・定期的な検診で尿酸値を確認する


ヨーグルト
ヨーグルトとは、牛乳に乳酸菌(ビフィズス菌・ブルガリア菌・・・)を入れて、発酵させた乳製品です。「ヨーグルト=体によさそう」 というイメージはありませんか?では、具体的にどのような効能があるのでしょう。
・腸内ビフィズス菌を増やし、悪玉菌(大腸菌・ブドウ球菌など)を撃退する
・腸内とビフィズス菌の作り出す酸により、腸が刺激され、便秘の予防になる
・ヨーグルトのたんぱく質により胃粘膜が保護される
・ビタミンを補う(ビタミンB1・B2・葉酸)
・カルシウムで骨粗しょう症の予防ができる(牛乳よりも多く含まれています)
牛乳ではお腹をこわしてしまうという方も、ヨーグルトは牛乳に比べて、下痢を起こしにくいと言われています。牛乳が苦手な 人は、毎朝ヨーグルトを食べて、カルシウムやビタミン類をしっかりととってみてはどうでしょう。