第32号 2002.11.25
今回のテーマ (特集)二日酔い・肝臓・温泉

 二日酔い
何かとアルコールを口にする機会が多い季節がやってきます。
ついつい飲みすぎて、二日酔いになるという方も・・・。
二日酔いのメカニズム
摂取したアルコールは肝臓において
アルコール→アセトアルデヒド→酢酸塩→炭酸ガス+水
という流れで代謝・排泄されていきます。しかし大量に飲酒した場合、有害物質であるアセトアルデヒドの処理が間に合わずに 起こる中毒症状(頭痛・胸焼けなど)が「二日酔い」です。
よくお酒に「強い」「弱い」と言われますが、これはアセトアルデヒドを分解する酵素の働きの違いによるもので、遺伝による 生まれつきの体質です。日本人の約半数は、生まれつきこの酵素の働きが弱いか欠けているタイプ、つまりお酒に弱い体質と いうことになります。

二日酔いの予防策
・自分の適量(*)を守り、飲み過ぎないようにしましょう。
・深夜(PM11時以降)の強いお酒は避けましょう。
・空腹での飲酒はアルコールの吸収を早めるため避け、つまみにはタンパク質やビタミンを多く含むものを中心に摂るよう 心がけましょう。(枝豆や豚キムチはGood!)

飲みすぎたら
・睡眠を十分とりましょう。
・スポーツドリンクやオレンジジュースなどで、不足している水分やミネラルを補給しましょう。ただし冷たい水はかえって胃を 刺激することがあります。
・アセトアルデヒドの分解に役立つ糖分やビタミンCを含んだ果物を摂るのもよいでしょう。
・「迎え酒」はアルコールの麻酔作用によって症状を抑えますが、慢性アルコール中毒の一歩となるのでやめましょう。

◇アルコールと一緒に薬(睡眠薬・安定剤・糖尿病薬など)を飲むと、薬の効果が強く出ることがあるので、併用しないようにしましょう。


〜肝臓〜

肝臓は体の中で最も大きな臓器のひとつです。そこには胃腸管などの臓器から門脈という血管を通り、栄養素を含んだ血液が 送られてきます。

肝臓のはたらき
1.吸収した栄養素を体が使いやすいように分解・合成します。
2.有害物質を無毒化したり、排泄しやすくします。
3.脂肪や脂溶性ビタミンの吸収を助ける胆汁を作ります。

このように体にとって大切なはたらきをしている肝臓ですが、“沈黙の臓器”と言われるように、少々の疲れでは危険信号を出しません。 そのため普段から肝臓にやさしいバランスのよい食生活をこころがけ、いたわってあげましょう。

○アルコールは適量(*)を守って、食事をしながら飲む。
○食事はゆっくりと、よくかんで食べる。
○週二日はアルコールをやめ、肝臓を休める。
○野菜・海藻類をたっぷりとる。
○肉・魚・卵・牛乳・大豆などの良質のタンパク質をとる。

(*)1日あたりの適量・・・
日本酒:1〜2合まで
ビール:大瓶1〜2本まで
ウィスキー:ダブル1〜2杯まで


温泉での〜んびりしよう!
日本人はお風呂の大好きな民族です。
お風呂に入って体が温まると、血液の循環がよくなり、新陳代謝が活発になります。これによって体内の老廃物や筋肉の疲労物質 の排泄がさかんになり、疲れがやわらぎます。
日本全国に数え切れないほどの温泉地がありますが、その成分によって効能は慢性関節リウマチ、皮膚疾患、高血圧などさまざまです。
また海岸や山などの中にある温泉では、日常生活から開放され、自然が精神的な刺激となって、体が自ら病気やストレスに打ち勝つ 力を強めてくれます。
ストレスの多い現代、時には温泉地に出かけて身も心も温まりましょう!

ただし、重度の高血圧・糖尿病、妊娠中の方はかえって悪影響をおよぼすことがありますので、医師とよく相談しましょう。